ヒナザクラ(雛桜)は、東北地方の亜高山以上に自生する日本固有の高山植物です。雪田の雪どけ水が流れるような場所や湿った草地などで見ることが出来ます。
私は東北地方に住んでいたことがあるので、毎年のようにヒナザクラを見るために栗駒山や、月山などに登りました。
また、関東地方に越してきてからも数回月山に登り、大好きなヒナザクラにあってきました。その花を下に載せています。
上のヒナザクラ(雛桜)は、自宅で2005年6月20日に撮影した種から育てた花です。
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ヒナザクラ(雛桜)の特徴と育て方
ヒナザクラ(雛桜) 2003年4月14日撮影 種からの初花
和名 | ヒナザクラ(雛桜) |
学名 | Primula nipponica |
科名・属名 | サクラソウ科 サクラソウ属 |
分布 | 本州(東北地方の亜高山以上)。日本固有 |
花期 | 7~8月(自生地) |
特徴 | 亜高山帯~高山帯の雪田の融雪跡や湿った草地に生えます。 花径約1cm、花は1~8個、高さ10~15cmの多年草。 葉は長さ2~4cm、葉身の上半部に5~9個の鋸歯があり、基部は葉柄状。は、花茎、花柄に微腺毛があります。 花冠裂片は斜めに開く。 |
育て方 | 鉢底に大粒の山砂を入れ、底のほうにマグァンプK を根に触れないように入れて、軽石、日光砂、硬質鹿沼土などの混合用土に花後に植え替えます。 真夏と冬を除いて1ヶ月に2~3回薄い液肥を水代わりにやり、定期的に病気・害虫から守るために薬剤散布をします。 水は表面が乾いたらやり、真夏は夕方に、鉢と鉢のまわりにたっぷりやって、夜間温度を下げるようにします。それ以外の季節は朝にやります。乾きやすい時は朝もやります。 春は日に当て、夏は寒冷紗下、冬は霜と風のあたらない場所で管理します。 わが家は車庫の二階を高山植物の育成場所にして、鉢台には板の上に波板、その上に人工芝を敷いて、ポリカーボネートの波板の屋根をかけています。真夏は寒冷紗をします。 冬はまわりを波板で囲い、風が当たらないようにしています。 それでも雪田の融雪跡に咲くことが多いヒナザクラ(雛桜)は、関東地方の住宅地で栽培続けるのは難しい植物でした。 |
宮城県では殖えて困るほどだったヒナザクラ(雛桜)が関東地方の住宅地では難しかった
ヒナザクラ(雛桜) 2005年6月19日撮影 種から
山野草好きな叔父からいただいたヒナザクラは関東地方在住の叔父がびっくりする位咲きました。叔父も育てたようですが、私に分けてくれた数年後には耐えてしまったので関東地方では育たないと思っていたようです。
わが家では、数株いただいたヒナザクラが何倍にも殖えて、叔父のところ持っていきましたが育たないというのを聞いて、不思議に思っていました。
定年の7年前には永住するための家を関東地方に建て、念願だったロックガーデンをつくりました。その前後は庭のない家に住むことになり、育てていた高山植物などはそのロックガーデンにすべて植えましたが、そこでかなり残ったものがありましたが、ヒナザクラなどは耐えてしまいました。
そんなことから、引っ越しをした後にヒナザクラを播き、育たないはずはないと思っていましたが、5年後くらいで全滅してしまいました。
種からはたくさん芽生えて花はかろうじて咲きましたが、宮城県で育てていたように元気な苗にはならず、少しは株も大きくなるものの鉢いっぱいに根と株が回るという風には程遠い現状でした。
ヒナザクラは私などの手の届かないところで生きていたのだということを痛切に感じさせられました。
宮城県に住んでいた時は、栗駒には手軽に登ることができたので、毎年のように雪解け水の流れるところを真っ白に染めて咲いていたヒナザクラを見るのが楽しみでしたが、関東地方はその環境とは程遠く、ヒナザクラは生きることさえできないことを痛感しました。
たぶん私が住んでいた宮城県の住宅地が生きられる限界だったのだろうと思いました。東北の高山帯ではかなり出会うことの多かったヒナザクラはそこに咲く事が幸せな花だったのだと思い返しています。
月山と蔵王芝草平のヒナザクラ(雛桜)
関東に来てから、東北の山の花を見たくて月山にも何度か登りました。
月山のヒナザクラ 2003年8月2日撮影