基本種のエビネ、ニオイエビネの他、エビネ、キエビネ、キリシマエビネの自然交雑種と言われるサツマエビネ、地エビネとニオイエビネの交雑種と思われるコオズエビネ、地エビネと黄エビネの自然交雑種と言われるタカネエビネを栽培もしくは栽培したことがあります。
ニオイエビネやコオズエビネ、サツマエビネなどの暖地性のものは鉢植えで管理し寒さ対策が必要ですが、タカネエビネとエビネは地植えにすることが出来るので、かなり殖えます。
わが家のエビネたちは30年近く前に栽培している方から分けていただいたものばかりで、それを大切に育てています。
上のエビネ(涼)は、自宅で2004年3月24日に撮影したニオイエビネです。
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エビネ(海老根)の特徴と育て方
エビネ(海老根) 2004年5月5日 撮影 栽培品 ダイダイエビネ f. rufoaurantiaca
エビネ(海老根) 2004年5月5日 撮影 栽培品 ダイダイエビネ f. rufoaurantiaca
エビネ(瑚珀) エビネ(瑚珀) 2004年4月23日 撮影 栽培品
和名 | エビネ(海老根) |
別名 | 地エビネ |
学名 | Caianthe discolor |
科名・属名 | ラン科 エビネ属 |
分布 | 北海道(西南部)、本州、四国、沖縄 |
花期 | 4~5月 |
特徴 | 山野の落葉樹林内に生える多年草。 地表近くにある根茎が海老が連なっているように見えるのでエビネ(海老根)の名前があります。 葉は2~3個根生します。 花茎は高さ30~50㎝。多数の花が総状につく。普通萼弁3個と側花弁2個は褐紫色で唇弁が淡紅白色だが、花色は変化が多い。 エビネ、キエビネ、キリシマエビネ、サルメンエビネ、ニオイエビネが基本種であり、これらの間に生まれた自然交雑種、人口交雑種を含め、花色には驚くほどの変異の幅が見られ、華麗な花姿が人々を魅了します。 |
育て方 | 日当たりは木漏れ日程度、湿度は高いほうがよい。排水通気性の良い土に植えます。 花後の5月頃、深鉢にゴロ土を入れて、同量の日向土、硬質赤玉の小粒に腐葉土を少し混ぜた用土に植えますマグアンプKを根に触れないように入れて植えこみます。 植え替えはあまり根をほぐさずに一回り大きな鉢に鉢底にゴロ土を入れて新しい用土で植え替えます。その時古いバルブは外さないで、新しいバルブが中心に来るようにバルブが見えるくらいの浅植えにします。 肥料は夏を除いてハイポネックス1000倍液を月に2回くらい肥し、乾かさないよう十分潅水します。 わが家は木漏れ日程度の木の下に地植えにして数年に一度の植え替えで大株に育てています。 エビネにとって一番怖いのはウイルス性のバイラス病なので、病気を媒介するアブラムシなどの殺虫剤、殺菌剤の散布は欠かせません。 |
その他のエビネ(海老根)の写真
エビネ(海老根) 2004年4月24日 撮影 栽培品 アカエビネ f. rosea
エビネ(海老根) 2004年4月24日 撮影 栽培品 アカエビネ f. rosea
ニオイエビネの特徴と育て方
ニオイエビネ 2003年3月203日 撮影 栽培品
和名 | ニオイエビネ |
学名 | Caianthe izu-insuaris |
科名・属名 | ラン科 エビネ属 |
分布 | 伊豆七島の特産種 |
花期 | 4~5月 |
特徴 | 花径2~3cm、高さ30~40cm。 花は淡紅紫色から濃紫色、唇弁は白色または淡紫色を帯び、色彩の鮮明さと花弁の光沢が美しい上品な花です。 芳香はつよく、中輪ながら30輪近くを穂状に密につけるもにもあります。 葉が大きく表面に光沢のあるのが特徴。 |
育て方 | 日当たりは木漏れ日程度、湿度は高いほうがよい。 花後の5月頃、やや大きめの鉢を使いゴロ土を入れて、同量の日向土、硬質赤玉の小粒に腐葉土を少し混ぜた排水通気性の良い用土に植えますマグアンプKを根に触れないように入れて植えこみます。 植え替えはあまり根をほぐさずに一回り大きな鉢に鉢底にゴロ土を入れて新しい用土で植え替えます。その時古いバルブは外さないで、新しいバルブが中心に来るようにバルブが見えるくらいの浅植えにします。 肥料は控えめにして(花後に置き肥と春秋に適宜やる程度でよい)、6~9月の夏期は1日1~2回十分に潅水します。 関東地方の我が家、冬は暖房のない家の中に鉢を取んでいます。 花が咲くと家の中に芳香が立ち込めます。 |
サツマエビネ(薩摩海老根)の特徴と育て方
サツマエビネ(薩摩海老根)小町姫 2007年5月2日 撮影 栽培品
和名 | サツマエビネ(薩摩海老根) |
学名 | Caianthe Satsuma |
科名・属名 | ラン科 エビネ属 |
分布 | 四国、九州、紀州 |
花期 | 4月 |
特徴 | サツマエビネはエビネ、キエビネ、キリシマエビネの自然交雑種と思われます。 エビネの褐色キエビネの黄色、キリシマエビネの紫紅色・白色の花色が現れ、唇弁の浅い切れ込み、発達した距などの形質が見られる。唇弁も黄色、白色紅色と変化に富みます。 花も小輪から大輪まであります。 小町姫は丈も低く、小輪の華麗な花です。 |
育て方 | 日当たりは木漏れ日程度、湿度は高いほうがよい。 花後の5月頃、やや大きめの鉢を使いゴロ土を入れて、同量の日向土、硬質赤玉の小粒に腐葉土を少し混ぜた排水通気性の良い用土に植えますマグアンプKを根に触れないように入れて植えこみます。 植え替えはあまり根をほぐさずに一回り大きな鉢に鉢底にゴロ土を入れて新しい用土で植え替えます。その時古いバルブは外さないで、新しいバルブが中心に来るようにバルブが見えるくらいの浅植えにします。 肥料は控えめにして(花後に置き肥と春秋に適宜やる程度でよい)、6~9月の夏期は1日1~2回十分に潅水します。 関東地方の我が家、冬は暖房のない家の中に鉢を取んでいます。 |
コオズエビネの特徴と育て方
コオズエビネ 2006年5月3日 撮影 栽培品
コオズエビネ 2004年3月24日 撮影 栽培品
和名 | コオズエビネ |
学名 | Caianthe Kozu |
科名・属名 | ラン科 エビネ属 |
分布 | 伊豆七島の特産種 |
花期 | 4~5月 |
特徴 | 伊豆七島に分布します。 自然交雑種で、地エビネとニオイエビネの交雑種と思われます。 |
育て方 | 日当たりは木漏れ日程度、湿度は高いほうがよい。 花後の5月頃、やや大きめの鉢を使いゴロ土を入れて、同量の日向土、硬質赤玉の小粒に腐葉土を少し混ぜた排水通気性の良い用土に植えますマグアンプKを根に触れないように入れて植えこみます。 植え替えはあまり根をほぐさずに一回り大きな鉢に鉢底にゴロ土を入れて新しい用土で植え替えます。その時古いバルブは外さないで、新しいバルブが中心に来るようにバルブが見えるくらいの浅植えにします。 肥料は控えめにして(花後に置き肥と春秋に適宜やる程度でよい)、6~9月の夏期は1日1~2回十分に潅水します。 関東地方の我が家、冬は暖房のない家の中に鉢を取んでいます。 |
タカネエビネの特徴と育て方
タカネエビネ 2004年5月2日 撮影 栽培品
タカネエビネ 2005年5月1日 撮影 栽培品
タカネエビネ 2004年4月20日 撮影 栽培品
和名 | タカネエビネ |
学名 | Calanthe x bicolor |
科名・属名 | ラン科 エビネ属 |
分布 | 九州、四国、紀州、山口県 |
花期 | 4~5月 |
特徴 | 花径2~3cm、高さ30~40cm。 山中の日陰に咲く野生蘭でたくさんの品種が栽培されています。 タカネエビネは自然交雑種で地エビネと黄エビネの交雑種と思われます。 花色の変異の幅は広く青色と純白を除く種々の色が出ているようです。 |
育て方 | 日当たりは木漏れ日程度、湿度は高いほうがよい。 花後の5月頃、やや大きめの鉢を使いゴロ土を入れて、同量の日向土、硬質赤玉の小粒に腐葉土を少し混ぜた排水通気性の良い用土に植えますマグアンプKを根に触れないように入れて植えこみます。 植え替えはあまり根をほぐさずに一回り大きな鉢に鉢底にゴロ土を入れて新しい用土で植え替えます。その時古いバルブは外さないで、新しいバルブが中心に来るようにバルブが見えるくらいの浅植えにします。 肥料は控えめにして(花後に置き肥と春秋に適宜やる程度でよい)、6~9月の夏期は1日1~2回十分に潅水します。 タカネ系は丈夫でよく増えます。 30数年の持ち越し株ですが、タカネエビネは管理が楽なので、数年に一度の植え替えで、すべて地植えで楽しんでいます。 |
花之江の郷のエビネたち
タカネエビネ 2003年5月3日 撮影 花之江の郷
エビネ 2005年5月2日 撮影 花之江の郷 アカエビネ f. rosea
エビネ 2004年4月23日 撮影 花之江の郷 ダイダイエビネ f. rufoaurantiaca
エビネのまとめ
ラン科の植物の栽培で、一番怖いのはウイルス性のバイラス病なので、媒介するアブラムシに対しての殺虫剤や殺菌剤の散布は欠かせません。
ウイルス性のバイラス病にかかった株はすべて焼却しなければならないので、どんなに気に入った花でも処分せざるを得ません。そのようなことからどこからでも購入するということが出来ない為に、あまり増やさずに、現在元気な株を大切に育てています。
わが家で育てているエビネは園芸品種が、出回る以前のかなり古いもので、我が家の近くには自生していないものも多く、どのような経緯をたどって来たかはわかりませんが、自生地からの乱獲はしてほしくないと思っています。
現在は盛んに交配が行われて素晴らしい花が作出されていますので、今後はそのようなものを購入して育てることが肝要だと思っています。
山野草も、自然にあるものを決して減らすことなく、子孫に残さなければならないと思っています。