クロユリ(黒百合)はバイモの中間なので、北海道の低地に生えている3倍体のクロユリはバイモの仲間と同じような扱いになり、2倍体の高山性よりは育てやすいようです。
30年前から地植えで育てていますが、低地性のクロユリは比較的丈夫で、排水のよい、朝日が当たる場所で庭植で育てていますが、鱗片がはがれたものからかなり殖えます。
高山性のクロユリは栽培が難しいと聞いていましたが、大雪山系黒岳で初めて見ることが出来ました。
上のクロユリ(黒百合)は、自宅で2003年4月20日に撮影した両性化です。
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クロユリ(黒百合)の特徴と育て方
クロユリ(黒百合)両性化 2004年4月23日 撮影 栽培品
クロユリ(黒百合)雄花 2004年4月19日 撮影 栽培品
和名 | クロユリ(黒百合) |
別名 | エゾクロユリ |
学名 | Fritillaria camtschatcensis |
科名・属名 | ユリ科 バイモ属 |
分布 | 北海道、本州(月山、飯豊山、中部地方)、北太平洋地域 |
花期 | 7~8月 |
特徴 | 花は褐紫色。花径2~3cm。 葉は茎の上部で3~5個が輪生。 高さ20~50cmで両性花と雄花があります。 地下部の鱗茎が小さいうちは花をつけず、ある程度大きくなってから雄花を付け、大きくなって初めて両性花をつけるようです。 亜高山帯~高山帯の開けた草地に生える多年草。 北海道東部の低地では2倍体と3倍体が混生しているという。 北海道型は染色体を3組もつ3倍体で、北海道の低地に自生しています。我が家で育てているのはこの種類で、高山性(本州型)2倍体はミヤマクロユリ(Fritillaria camtschatcensis var. alpina)と呼ばれることもあり草丈が15cm~30cmです。 |
育て方 | 用土は、1例として軽石、桐生砂、硬質鹿沼土、赤玉土などの混合用土を使います。 地植えでは、朝日があたり、西日が当たらない場所で、土のはねない場所を選んで表土から3~5㎝下に植えます。鉢植えのの場合も2~3㎝覆土します。 球根はほとんど北海道の平地産のもので、肥沃な土質を好むので十分に肥培します。 わが家のクロユリも北海道産で、地植えで殖えながらたくさん花が咲きますが、数年ごとに植え替えた方が良いようです。 鉢植えの場合は、夏は半日陰に置き涼しくします。 バイモの中間なので、花後の夏は休眠し、秋から生育を始めるので、秋に涼しくなって球根が活動を再開する頃から冬前まで1週間に1回液体肥を与えます。 また、春に芽が吹いて茎葉が枯れるまでの間も1週間に1回液体肥料を与え、定期的に病気・害虫から守るために薬剤散布をします。 |
大雪山系黒岳の高山性のクロユリ(黒百合)と井頭公園(高山植物館)のクロユリ(黒百合)
ミヤマクロユリ(Fritillaria camtschatcensis var. alpina) 2005年7月14日 撮影 大雪山系黒岳
クロユリ(黒百合) 2004年12月17日 撮影 井頭公園(高山植物館)
大雪山系黒岳で写したクロユリは、2倍体のミヤマクロユリ(Fritillaria camtschatcensis var. alpina)だと思います。我が家で栽培しているものとは違っていました。
井頭公園(高山植物館)で写したクロユリは3倍体の北海道の低地に生えているクロユリではないかと思いますがはっきりは分かりません。
クロユリ(黒百合)まとめ
クロユリは本州の高山帯に自生する高山性と北海道の低地に自生する3倍体のクロユリがあるようです。
出回っているのはほとんどが3倍体の北海道の低地に自生するものようで、朝日に当てて西日を遮り水はけよく植えることで殖やすこともできます。