ユキモチソウ(雪餅草)は、本州(三重県、奈良県)、四国に自生する、サトイモ科 テンナンショウ属の植物で、仏炎苞の花序の付属体は白色のこん棒状が雪のように白く、やわらかく餅のようなことからユキモチソウと名付けられたようです。
また他のテンナンショウの仲間は球根から殖えますが、ユキモチソウは分球しないので、種から殖やすほかはないようです。
花は、仏炎苞苞の中に伸びた付属体下につき、成長や栄養の状態によって、雄花から雌花に変化する性転換植物として知られています。
上のユキモチソウ(雪餅草)は自宅で2015年4月22日に撮影した花です。
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ユキモチソウ(雪餅草)の特徴と育て方
ユキモチソウ(雪餅草) 2006年4月23日 撮影 栽培品
和名 | ユキモチソウ(雪餅草) |
学名 | Arisaema sikokianum |
科名・属名 | サトイモ科 テンナンショウ属 |
分布 | 本州(三重県、奈良県)、四国 |
花期 | 4~5月 |
特徴 | 丈は30cm内外。葉は2個、小葉数個が鳥足状につきます。 仏炎苞は長さ8~12cm、紫褐色で舷部はほぼ直立し、口辺部は白色。花序の付属体は白色のこん棒状、先端はふくらみ、直径2~2.5cmになります。 和名は仏炎苞からのぞく花序の付属体の先端が、雪のように白く、やわらかく餅のようなことから名づけられました。 雌雄異株の多年草ですが、小苗のうちは雌雄どちらでもなく、少し育つと雄株に、充実した株になると雌株になりますが、雌株になっても弱った株は雄株に戻るようです。 雄株には出入り口がありますので、雄蕊を付けた虫が雌株にもぐり込んで受粉を掏るようですが、出口がないので死んでしまうようです。 ユキモチソウは分球しないのでタネをまいて育てますが、植物自体に雄株と雌株があり両方ないとタネがつきません。 |
育て方 | 軽石あるいは桐生砂、硬質鹿沼土、赤玉土の混合用土を用い、鉢底に大きい粗砂を入れ排水をよくし、球根は1cm位用土で覆ってやります。 植え付ける際にマグァンプK を球根に触れないように入れて植えます。 その後は花の咲き終わった後(5~6月)と、地上部分が枯れた頃(10月頃)に1回ずつ、固形の油かすを与えます。 4月くらいから規定の2倍くらいに薄めた液肥を与え、定期的に病気・害虫から守るために薬剤散布をします。 地上部分が枯れた10~11月に、球根を掘り上げて新しい用土で植え替えます。 半日陰で育て、葉が展開し花が咲くころは風に当たると傷むので、風と雨の当たらない場所で管理し、夏は乾燥しない涼しい場所で管理すると種が実りやすいようです。 繁殖は子球が出来ないので実生で殖やします。種を播いて花が咲くまでに3~4年かかります。種から育てましたが発芽率は良い方です。 |
ユキモチソウ(雪餅草)まとめ
ユキモチソウ(雪餅草) 2004年4月19日 撮影 栽培品
テンナンショウの仲間は分球するものが多いのですが、ユキモチソウは分球せず、雄株と雌株がないと種ができないので、複数株育てることが必要です。
種は採り播きをすると、3~4年で開花します。
ミミガタテンナンショウの特徴
ミミガタテンナンショウ 2003年4月19日 撮影 高尾山
和名 | ミミガタテンナンショウ |
学名 | Arisaema limbatum |
科名・属名 | サトイモ科 テンナンショウ属 |
分布 | 本州、四国 |
花期 | 4~5月 |
特徴 | 山野の林内に生える多年草。 葉は2個つき、小葉は7~11個。花の頃の葉柄は花茎より短いが、花のあと全体に大きくなります。 仏炎苞は濃紫色または暗紫色で、口辺部耳状に広くはりだします。 花序の付属体は棒状で直径0.3~1cm。。 和名は仏炎苞の口辺部が耳たぶのようにはりだすことによります。 |