イワオトギリ(岩弟切)は、本州(東北地方、関東地方北部~中部地方の主に日本海側)生息する日本固有のオトギリソウ科 オトギリソウ属の多年草です。
種から育て、高山植物と同じように管理していますが、零れ種から好きなところに芽生えてとても育てやすい植物です。
イワオトギリ(岩弟切)の他シナノオトギリ(信濃弟切)、オクヤマオトギリ(奥山弟切)、トモエソウ(巴草)の特徴を載せています。
こちらには、ヤクシマオトギリ(屋久島弟切)、オトギリソウ(弟切草)、サワオトギリ(沢弟切)、コケオトギリ(苔弟切)、コゴメバオトギリ(小米葉弟切)があります。
オトギリソウの仲間は同定が難しく、悩んだ末に決めたので自信がありません。
上のイワオトギリ(岩弟切)は、自宅で2009年6月26日に撮影した2007年1月播種の初花です。
スポンサーリンク
イワオトギリ(岩弟切)の特徴と育て方
和名 | イワオトギリ(岩弟切) |
学名 | Hypericum kamtschaticum var. hondoense |
科名・属名 | オトギリソウ科 オトギリソウ属 |
分布 | 本州(東北地方、関東地方北部~中部地方の主に日本海側)。日本固有 |
花期 | 7~8月 |
特徴 | 亜高山帯 ~高山帯 の林縁や開けた草地、砂礫地に生える多年草。 高さ10~30cm。葉は長さ1.2~4cm、葉に黒点が多く、明点がすこし混じります。 茎頂に直径約1.5cm~2cmの黄色の5弁花をつけます。 |
育て方 | 高山植物なので、それにならって育てているが、かなり丈夫で、実生でも良く殖えます。 硬質鹿沼土を主に、桐生砂、日光砂などを用い、水持ち良く水はけよくマグァンプK などの緩行性肥料を入れて植えます。 真夏以外は日光によく当て水切れに注意して管理しますが、真夏は半日陰に移します。 多年草なので、冬は葉がなくなりますが、春になると芽を出します。 真夏と冬を除いて1ヶ月に2~3回水肥を水代わりにやり、定期的に病気・害虫から守るために薬剤散布をします。 水は表面が乾いたらやり、真夏は夕方に、鉢と鉢のまわりにたっぷりやり、夜間温度を下げるようにします。それ以外の季節は朝にやります。夏は乾きやすいようでしたら朝もやります。 零れ種で、好きなところに芽生えてよく殖えるので現在は放任状態です。 イワオトギリの種を播きましたが、わが家はロックガーデンになっていて、砂利勝ちの用土なので好きなところに芽生えるのかもしれません。 |
月山のイワオトギリ(岩弟切)
イワオトギリ(岩弟切) 2006年8月3日 撮影 月山
イワオトギリ(岩弟切) 2006年8月3日 撮影 月山
イワオトギリ(岩弟切) 2003年8月2日 撮影 月山
シナノオトギリ(信濃弟切)の特徴
シナノオトギリ(信濃弟切) 2005年8月4日 撮影 八方尾根
シナノオトギリ(信濃弟切) 2005年8月4日 撮影 八方尾根
シナノオトギリ(信濃弟切) 2005年8月4日 撮影 八方尾根
和名 | シナノオトギリ(信濃弟切) |
学名 | Hypericum kamtschaticum var. senanense |
科名・属名 | オトギリソウ科 オトギリソウ属 |
分布 | 本州(中部地方) |
花期 | 6~8月 |
特徴 | 高さ10~30cm。亜高山~高山に生える多年草。 葉は対生し、卵状楕円形で長さ1.5~3cm、ふちに黒点、葉面に明点があります。 花は集散状に付き花弁は黄色で長さ約1.5cm、黒線がある。萼片のふちには黒点はない。花柱は子房より長い。 |
シナノオトギリ(信濃弟切) 2004年8月4日 撮影 乗鞍畳平
シナノオトギリ(信濃弟切) 2006年8月2日 撮影 栂池自然園
オクヤマオトギリ(奥山弟切)の特徴
オクヤマオトギリ(奥山弟切) 2003年7月27日 撮影 戦場ヶ原
和名 | オクヤマオトギリ(奥山弟切) |
別名 | ニッコウヤマオトギリ |
学名 | Hypericum erectum var. longistylum |
科名・属名 | オトギリソウ科 オトギリソウ属 |
分布 | 本州(中部地方以北) |
花期 | 7~8月 |
特徴 | 茎は多数叢生し、高さ15~40cm。 葉は狭長楕円形で長さ約3cm、黒点のみがあります。 花弁は大きくゆがんだ倒卵形で約9㎜。萼弁には黒線と黒点がある。雄蘂は多数。 |
トモエソウ(巴草)の特徴
トモエソウ(巴草) 2003年7月27日 撮影 小田代原
和名 | トモエソウ(巴草) |
学名 | Hypericum ascyron |
科名・属名 | オトギリソウ科 オトギリソウ属 |
分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
花期 | 7~8月 |
特徴 | 山地や丘陵に生える多年草。茎は4稜形高さ約1m。全草無毛。 葉は対生し披針形で長さ4~10cm、基部はやや茎を抱きます。葉には明点があり、黒点はない。 花上部で分枝し、先に黄色でよじれた1日花を開きます。 花は直径4~6cm、花弁は5個。萼は大小不同で、脈間に明線がたくさんあります。 |
イワオトギリ(岩弟切)まとめ
イワオトギリは種から育てましたが、高山植物のわりには育てやすく、零れ種で好きなところに殖えています。