クルメツツジ(久留米躑躅)は、福岡県久留米地方で栽培されていたツツジ群に与えられてたもので、江戸時代にサタツツジを中心に、ミヤマキリシマ、ヤマツツジなどを交配したもののようです。
花も小型、樹高も低く、花色も豊富で花付が良く育てやすいために好んで栽培されているようです。
小さな庭でも栽培でき、春の庭を華やかに彩ってくれます。ただ、夏に蕾を食べる、ベニモンアオリンガの幼虫が蕾を食べてしまうので、薬剤散布をしないと翌年花が少なくなってしまいます。
日光中善寺湖畔、仙人ヶ岳のヤマツツジ(山躑躅)の写真と特徴を載せています。
上のクルメツツジ(久留米躑躅)は、自宅で2004年4月11日に撮影した花です。
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クルメツツジ(久留米躑躅)の特徴と育て方
クルメツツジ(久留米躑躅) 2004年4月14日 撮影 栽培品
和名 | クルメツツジ(久留米躑躅) |
学名 | Rhododendron obtusum var. obtusum |
科名・属名 | ツツジ科 ツツジ属 |
分布 | 園芸品種。 |
花期 | 4~5月 |
特徴 | クルメツツジの名は、福岡県久留米地方で栽培されていたツツジ群に与えられたもので、キリシマツツジからきたと考えられていたが、クルメツツジの花色と花形を調べると、サタツツジに一致することが分かり、サタツツジとヤマツツジが主な親であり、それにミヤマキリシマも加わっていると言う結論になっているということです。 木が小ぶりで花色も豊富で、花付が良く、刈込にも耐え育てやすいツツジです。 花の時期が4~5月と早いことから、春の庭を彩るツツジの代表にもなっているようです。 |
育て方 | 庭植は日当たりの良い場所で、水持ち、水はけのよい場所が適しています。用土によっては腐葉土などを混ぜて水持ち良く植えると良いかもしれません。 鉢植えは鹿沼土単独でも大丈夫ですが、軽石、腐葉土を混ぜると水はけと水持ちが良くなります。 庭植、鉢植え共に、2月頃の寒肥と花後のお礼肥と、秋に緩効性化成肥料や、固形の油かすを施します。 庭植は根鉢の2倍の深さと幅の植穴を掘り、用土が良くない場所は、腐葉土と軽石を混ぜ入れて根鉢のまわりに十分に水を入れて、棒などで用土を良くなじませます。 剪定は花後なるべく早く、好みの形に剪定します。夏に花芽ができるので、その後の剪定は伸びすぎた枝を切る程度にします。 鉢植えは、2年に1度位、花後の剪定と一緒に行いますが、大きくしたいときは、ひと回り大きな鉢を用い、同じ鉢に植えるときは根をほぐして3分の1程度整理して植えます。 鉢植えは表面が乾いたら水をたっぷりやります。夏は夕方にやる方が良いでしょう。 最大の害を与えるのは、ベニモンアオリンガで、この害虫は、夏に形成されて蕾を食い荒らし、翌年の花が咲かなくなりますので定期的な薬剤散布が必要です。 繁殖は6月中~下旬頃、今年伸びた充実した枝を5~8㎝ほど切り取り、十分に吸水させたあと鹿沼土に挿します。 |
クルメツツジ(久留米躑躅)
少なくとも午前中くらいは、日が当たるところに植えます。
育てやすく、丈夫なツツジですが、剪定は花後に行い、蕾を食べるベニモンアオリンガが発生するので、薬剤散布は必要です。
ヤマツツジ(山躑躅)の特徴
ヤマツツジ(山躑躅) 2007年5月28日 撮影 日光中善寺湖畔
ヤマツツジ(山躑躅) 2004年4月17日 撮影 仙人ヶ岳
和名 | ヤマツツジ(山躑躅) |
学名 | Rhododendron kaempferi |
科名・属名 | ツツジ科 ツツジ属 |
分布 | 北海道南部、本州、四国、九州 |
花期 | 4~5月 |
特徴 | 半落葉低木 低山地の疎林内、林縁、日当たりのよい尾根筋、草原などに生育するツツジで、半落葉低木。 分布域がもっとも広いことから、日本人にもっとも親しまれている野生のツツジです。 花の色や形には変化があり、多くの品種が知られています。 |