フタバアオイ(双葉葵)の茎は地上を横に這い、多肉質で紫を帯びた褐色、節の間が長く伸び、枝分かれしてその先端には鱗片葉を互生します。
福島県以南~九州の温帯域の広葉樹林、あるいは針葉樹の混じった森林に生育し、暗い林床に生えるようです。
京都の賀茂神社では葵祭にこれを用いることで知られ、カモアオイ(賀茂葵)の別名もあります。
上のフタバアオイ(双葉葵)は、自宅で2021年4月10日に撮影したものです。
スポンサーリンク
フタバアオイ(双葉葵)の特徴と育て方
フタバアオイ(双葉葵) 2021年4月10日 撮影 栽培品
和名 | フタバアオイ(双葉葵) |
別名 | カモアオイ(賀茂葵) |
学名 | Asarum caulescens |
科名・属名 | ウマノスズクサ科 カンアオイ属 |
分布 | 福島県以南~九州 |
花期 | 1~5月 |
特徴 | 日本固有種で、本州の福島県以南から九州まで分布し、山地の暗い林床に生える多年草です。 和名の「フタバ」は、茎の先に葉を2つ、対生状につけることによります。 葉は薄く、卵心形で先は尖り、基部は深い心形で、縁や脈上に短い毛があります。 花は葉柄の基部に1個、ほぼ下向きにつけます。 花弁はなく、花弁のように見えるのは萼で、直径約1.5㎝位です。 他のカンアオイ属の花は、3個の萼片の基部から先端に向けた途中まで萼が「合着」し、壺状の萼筒を形成します。 これに対しフタバアオイは合着ではなく「接合」もしくは「接着」し、不完全な椀形の仮筒部を形成します。 3つに裂けた萼裂片が、萼筒とぴったり接するほど反曲します。写真は、反曲し完全に接しているところです。 カンアオイ属の中でもかなり異なった咲き方をしています。 |
育て方 | 直射日光の当たらない場所を選び、水はけのよい土に植えて管理しますが、茎葉が生長する冬は、日光が当たるようにします。 深さ10~20cmほどの3~5号鉢に1株を植え付けるのを目安します。赤玉土(小粒)6、鹿沼土2、や桐生砂(もしくは日向土)4、鹿沼土4、赤玉土1、腐葉土1の割合で混ぜた土で植えます。市販の山野草用培養土を使用など、管理のしやすい用土を選びます。 植え替えは、4~6月に2~3年を目安に、株分けを兼ねて行います。 肥料はあまり多く与えない方がよく、4~5月と9~10月に、1回ずつ有機肥料を少量か、薄めた液体肥料を与える程度にします。 定期的に病気・害虫から守るために薬剤散布をします。 乾燥にも過湿にも弱い性質なので、鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えるようにします。宿根草なので、冬に地上部は枯れてしまいますが、根はそのままなので、水やりは忘れずに行います。 地植えにする場合は、落葉樹のしたなどを選び、水はけを考え、桐生砂を1~2割ほど混ぜ込んで耕しておくとよいようです。 |
(賀茂葵)のまとめ
フタバアオイ(双葉葵) 2021年4月10日 撮影
フタバアオイ(双葉葵)は山地の暗い林床に生える多年草なので、冬以外は直射日光に当てないように明るい日陰で栽培します。
乾燥にも加湿にも弱いので水はけのよい用土に植え、表面が乾いたらたっぷり水をやります。