ミゾホオズキ(溝酸漿)は、北海道、本州、四国、九州の山野の湿地、湧水のほとり、溝などに生育する多年草です。
種から育てて2年後に初花が咲きましたが、冷たい水の流れるような湿地に生える植物は、大きく育つこともなく、弱ってしまいましたが自生地で写真を写すだけではなく、種から育てたという経験は植物の生態をより知ることが出来たと思っています。
栂池自然園で写したオオバミゾホウズキ(大葉溝酸漿)を下にのせています。
上のミゾホオズキ(溝酸漿)は、自宅で2008年6月5日に撮影した2004年10月に播種した苗からの初花です。
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ミゾホオズキ(溝酸漿)の特徴と育て方
和名 | ミゾホオズキ(溝酸漿) |
学名 | Mimulus nepalensis |
科名・属名 | ハエドクソウ科 ミゾホオズキ属 |
分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
花期 | 6月~8月 |
特徴 | 山野の湿地、湧水のほとり、溝などに生育する多年草です。 全体に柔らかく、毛はなく、茎は枝分かれて広がり、斜上して長さは10~30㎝になります。 葉は卵形で長さ1~4cmで、柄があります。 萼は緑色で、楕円体の筒状になり、基部から先に走る5本の稜があり、稜には狭い翼ができ、先端は切形の5個の突起状の裂片になり、軟毛が生えます。 花は上部の葉腋につき、花冠は長さ1~1.5cmで、花のあと袋状になった萼に包まれた果実がホオズキを思わせます。 |
育て方 | 早春の芽だし前に、山野草鉢にゴロ石を入れ、桐生砂、硬質赤玉土、硬質鹿沼土の混合用土に水はけと水持ちが良いように植えつけます。 その時、元肥にマグァンプKを根に触れないように入れてます。 棚には人工芝を敷き、まわりに水を撒いて湿度を上げるようにし、春は日あたり、5月頃から木漏れ日程度の半日陰で、真夏には寒冷紗をして水切れしないように管理します。冬は棚下などで霜と乾燥から保護します。 水は表面が乾き始めたらたっぷりやりやり、真夏は夕方に、鉢と鉢のまわりにたっぷりやって、夜間温度を下げるようにします。それ以外の季節は朝にやります。乾きやすい時は朝もやります。 植え替えは早春の芽出し前に、新しい用土で植え替えます。 真夏と冬を除いて1ヶ月に2~3回薄い液肥を水代わりにやり、定期的に病気・害虫から守るために薬剤散布をします。 山野の湿地、湧水のほとり、溝などに生育する植物は空中湿度を高くすることと、夏を涼しくすることが大切ですので、関東地方の住宅地で長く栽培することは難しい植物のようです。 わが家のまわりは、エアコンの室外機がたくさん置かれているので、夜も温度が下がることがなく、猛暑日と熱帯夜が続くようになりかなり厳しい栽培環境になっています。 |
日光植物園のミゾホオズキ(溝酸漿)
ミゾホオズキ(溝酸漿) 2004年8月22日 撮影 日光植物園
ミゾホオズキ(溝酸漿) 2004年5月29日 撮影 日光植物園
ミゾホオズキ(溝酸漿) 2003年9月14日 撮影 日光植物園
ミゾホオズキ(溝酸漿) 2003年9月14日 撮影 日光植物園
栂池自然園のオオバミゾホウズキ(大葉溝酸漿)の特徴
オオバミゾホウズキ(大葉溝酸漿) 2004年8月7日 撮影 栂池自然園
和名 | オオバミゾホウズキ(大葉溝酸漿) |
学名 | Mimulus sessilifolius |
科名・属名 | ハエドクソウ科 ミゾホオズキ属 |
分布 | 北海道、本州(中部地方以北の日本海側) |
花期 | 7月~8月 |
特徴 | 高さ10~30cmの深山の湿り気のあるところに生える多年草。 葉は卵形~卵円形で長さ2.5~6cm、柄がない。 花は上部の葉腋につき、花冠は筒型で、長さ2.5~3cm。 |
ミゾホオズキ(溝酸漿)まとめ
ミゾホオズキ(溝酸漿)は日光植物園で自生しているのを何度も見ましたので、どのような環境で育つのかを観察できました。
夜間温度を下げて湿原に生えるような環境を再現することが出来ず、種から花を見ることはできましたが、栽培を続けることはできませんでした。しかし種から育つ様子を観察できたことは植物を少しは知ることが出来たのではないかと思っています。
冷たい水が流れる場所に咲いていた、オオバミゾホウズキ(大葉溝酸漿)を写すことが出来たことも嬉しいことでした。