山地や亜高山帯の石灰岩地に生える多年草で、桜の花の形の優しい花が咲きます。イワザクラは1株いただいたものを殖やして育てていますが、シナノコザクラは種を播いたので花形も色も違った花も咲きましたので、多様性があるようです
母種のイワザクラと同じ場所で、同じような鉢、同じ用土で一緒に育てていましたが、イワザクラが10年以上過ぎた現在も元気で殖え続けているのに、たくさん芽生えたシナノコザクラは数年で枯れてしまいました。
シナノコザクラは南アルプスなどの山岳地から亜高山帯に自生するようですので、自生地の違いから、イワザクラより栽培が難しかったのではないかと思っています。
上のシナノコザクラ(信濃小桜)は、自宅で2006年4月14日に撮影したものです。
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シナノコザクラ(信濃小桜)の特徴と育て方
シナノコザクラ(信濃小桜) 2006年4月6日 撮影 栽培品
シナノコザクラ(信濃小桜) 2006年4月6日 撮影 栽培品(種からの初花)
和名 | シナノコザクラ(信濃小桜) |
学名 | Primula tosaensis var.brachycarpa |
科名・属名 | サクラソウ科 サクラソウ属 |
分布 | 関東地方西部と中部地方南部 |
花期 | 自生地では5~6月 |
特徴 | 葉は円形で直径3~7cm、縁は不規則に浅く裂け、鋸歯もある。表面は無毛。 高さ5~10cmの花茎の先に1~5個の花を散形につけます。花冠は紅紫色で直径2.5~3cm。 南アルプスなどの山岳地から亜高山帯の石灰岩に生える多年草。 シナノコザクラはイワザクラの変種であるように、上はイワザクラの特徴でとても似ています。 イワザクラの蒴果が真っ直ぐな円柱形で、長さ1.5~2.5㎝と萼の2~3倍あるのに対し、シナノコザクラの蒴果は長楕円形または曲がった短い円柱形となり、長さが0.5~1.3㎝で萼の1~1.5倍のものというから果実を見ないと同定できないようだが、まだわが家では結実してくれず確認できませんでした。 |
育て方 | 植え替えは2~3年毎に花後か早春におこなう。 植え替えの感覚や用土などは栽培環境、栽培地によって一番良い方法があるのではないかと思いますが、軽石、桐生砂、日光砂、硬質鹿沼土を主にした用土に植えています。 深山の岩場、岩壁に生育しているので、それに近い環境で、育てるようにしています。 肥料には弱いので液肥を月に2回ほど与える程度です。 水はたっぷりやり、鉢の中に新しい水と空気を送り、水が停滞せず適湿を保ち多湿にならないようにします。真夏は夕方に、鉢と鉢のまわりにたっぷりやって、夜間温度を下げるようにします。それ以外の季節は朝にやります。乾きやすい時は朝もやります。 春秋は良く日に当て夏は木漏れ日程度にし、風通しの良いところに置き蒸れないように注意します。 わが家の栽培環境は、家の東側の明るいポリカーボネートの波板屋根下で夏は南北を吹き抜けに冬はかこって管理しています。 |
シナノコザクラ(信濃小桜)まとめ
シナノコザクラ(信濃小桜) 2008年4月2日 撮影 栽培品(
図鑑を見るとイワザクラもシナノコザクラも良く似ていて区別がつかないような気がします。ラベル落ちしたらわからなくなってしまうのではないかと思いますが、イワザクラは1本の苗から、シナノコザクラは種を播いたことによって、1本の苗からだとわからない多様な形があることが分かりました。
そして、その多様性が分からない、イワザクラとシナノコザクラの違いは、シナノコザクラの多様性から感じることができました。
私たちが1本の苗を購入してその個体を知っているかのように思っても、自生地に多様なものがあることを、シナノコザクラは教えてくれました。