岩手県(早池峰山)北海道(礼文島、ポロヌプリ山、夕張山地)。アジア北部、カナダが、自生地のトチナイソウ(栃内草)は、亜高山帯~高山帯の乾いた草地や礫地に生える多年草で高さは3~5㎝です。
海外のAndrosaceよりも花が大き目でとても魅力のある花です。名前は最初に採取した栃内人壬五郎氏にちなむようです。
日本で見られるトチナイソウ属はトチナイソウとリュウキュウコザクラの2種だけということで、とても貴重な植物になっています。
トチナイソウ(栃内草) 2007年4月14日撮影 栽培品
スポンサーリンク
トチナイソウ(栃内草)の特徴と育て方
トチナイソウ(栃内草) 2007年4月6日撮影 栽培品
和名 | トチナイソウ(栃内草) |
別名 | チシマコザクラ |
学名 | Androsace chamaejasme ssp. lehmanniana |
科名・属名 | サクラソウ科 トチナイソウ属 |
分布 | 岩手県(早池峰山)北海道(礼文島、ポロヌプリ山、夕張山地)。アジア北部、カナダ |
花期 | 栽培:3~4月 自生地:6~7月 |
特徴 | 亜高山帯~高山帯の乾いた草地や礫地に生える多年草で高さは3~5㎝です。 葉は何段かにかたまってつき、白色の花を散状につけます。花は小形で直径7㎜くらい。花の目が白から黄、赤に変わるのがとっても素敵。 名前は最初に採取した栃内人壬五郎氏にちなみます。 礼文島に行った時にお聞きしたらトチナイソウが咲く場所は教えていないという。絶滅危惧種になっていて、かなり希少種のようでした。 日本で見られるトチナイソウ属はトチナイソウとリュウキュウコザクラの2種だけです。 |
育て方 | やや酸性土壌を好む。鉢底に大粒の軽石を入れ、植え土は富士砂、軽石、日光砂、硬質鹿沼土などの混合用土で、根に触れないように底のほうにマグアンプKを入れて植えています。 植え替えは毎年、花後の5月~6月中旬と9月中旬~10月中旬、その年により用土などは少し替えることもあります。 真夏と冬を除いて1ヶ月に2~3回薄い液肥を水代わりにやり、定期的に病気・害虫から守るために薬剤散布をします。 春から開花期は日向に、開花後は雨の当たらない半日陰か寒冷紗で日差しを遮ります。 高温多湿を嫌うので、用土は粗目の物を用い、軟腐病で根腐れするのを防ぐためにベンレートを施しアブラムシに注意します。 大好きなトチナイソウは大切に育てていて、数年は元気に花が咲いていたのですが、関東地方の猛暑に耐えられなかったようで消えてしまいました。 |
トチナイソウ(栃内草)の仲間との出会い
2006年3月24日撮影 栽培品
日本に自生するトチナイソウ属はトチナイソウとリュウキュウコザクラの2種だということで、私は栽培品のトチナイソウだけしかあったことがなく、とても魅力的な花でしたが、もう栽培することはないと思っています。
アンドロサケの仲間はトチナイソウの他に和名ツルハナガタとして出回っているアンドロサケ・サルメントーサ、アンドロサケ・ビローサ、アンドロサケ・ラヌギノサ、アンドロサケ・カルネア、アンドロサケ・アルメニアカ・マクランタなどを種から育てましたが、現在はアンドロサケ・サルメントーサとアンドロサケ・ビローサの他は十年以内に枯れてしまいました。
トチナイソウに比べて小さめなアンドロサケ・ビローサはトチナイソウと同じように目が白から黄、赤にと変わり可憐な花を10年以上も花を咲かせて楽しませてくれています。
花径8㎜、花茎10cm以上になるアンドロサケ・サルメントーサ(ツルハナガタ)は花茎をたくさん出して濃いピンクの花を毬のように咲かせてくれます。蔓をのばして殖えるので、今ではロックガーデンでも見事に花を見ることができますが、毎年の植え替えは欠かせません。
アンドロサケ ラヌギノサは丈夫そうでしたので、ロックガーデン植えにして、植え替えを怠ったために枯らしてしまい、いつまでも心残りです。高山性のプリムラ類は気難しいものが多いので、育てやすいと思っても植え替えを怠ったり、気を許すと枯れてしまいがちです。