ホソバノキソチドリ(細葉の木曽千鳥)は、ラン科・ツレサギソウ属で、北海道、本州(北部、中部地方)、四国の亜高山帯の草地に生え、とても出会うことの多いツレサギソウ属の多年草で、側花弁の先は細長くならず、唇弁が細長く、細長い距が水平から下向きにつくのが特徴です。
コバノトンボソウ(小葉の蜻草)は、ホソバノキソチドリの変種でよく似ていますが、最下の葉が広線形であること、淡黄緑色の花を数個まばらにつけて、距が後方にはね上がるのが特徴です。
キソチドリ(木曽千鳥)もツレサギソウ属ですが、亜高山帯の針葉樹林内に生え、ホソバノキソチドリやコバノトンボソウが湿地帯に生えるのと異なっており、キソチドリの葉が細いものをホソバノキソチドリではないようです。
ツレサギソウの仲間にトンボソウがありますが、距が短いことで区別できます。
上のホソバノキソチドリ(細葉の木曽千鳥)は、2004年7月18日に池の平湿原で撮影したものです。
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ホソバノキソチドリ(細葉の木曽千鳥)の特徴
ホソバノキソチドリ(細葉の木曽千鳥) 2006年8月4日 撮影 月山
ホソバノキソチドリ(細葉の木曽千鳥) 2003年7月18日 撮影 赤城山覚満淵
和名 | ホソバノキソチドリ(細葉の木曽千鳥) |
学名 | Platanthera tipuloides |
科名・属名 | ラン科 ツレサギソウ属 |
分布 | 北海道、本州(北部、中部地方)、四国 |
花期 | 7~8月 |
特徴 | 亜高山帯の草地に生える多年草。 茎は高さ20~40cm。 葉は普通1個、長さ3~7cmの狭長楕円形。鱗片葉は2~3個。 穂状の花序に黄緑色の花を多数つける。萼弁は長さ約5㎜でずい柱を囲む。距は長さ1.2~1.8cm。 側花弁の先は細長くならず、唇弁が細長く、細長い距が水平から下向きにつきます。 |
ホソバノキソチドリ(細葉の木曽千鳥) 2003年7月18日 撮影 赤城山覚満淵
ホソバノキソチドリ(細葉の木曽千鳥)葉 2003年7月18日 撮影 赤城山覚満淵
コバノトンボソウ(小葉の蜻草)の特徴
コバノトンボソウ(小葉の蜻草) 2005年8月11日 撮影 尾瀬
コバノトンボソウ(小葉の蜻草)葉 2005年8月11日 撮影 尾瀬
コバノトンボソウ(小葉の蜻草) 2004年8月8日 撮影 栂池自然園
和名 | コバノトンボソウ(小葉の蜻草) |
学名 | Platanthera tipuloides Lindl. var. nipponica, Platanthera nipponica |
科名・属名 | ラン科 ツレサギソウ属 |
分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
花期 | 6~8月 |
特徴 | 日当たりのよい湿地に生える多年草。 茎は高さ20~40㎝。 葉は2~3個で、最下の葉が特に大きい。最下の葉は広線形で長さ3~7㎝、幅3~10㎜、基部は茎を抱く。燐片葉は茎に密着目立たない。 穂状花序に一方にかたよって淡黄緑色の花を数個まばらにつけます。 距は長さ1.5~1.8㎝、後方にはね上がります。 |
キソチドリ(木曽千鳥)の特徴
キソチドリ(木曽千鳥) 2007年7月21日 撮影 白駒池付近
和名 | キソチドリ(木曽千鳥) |
学名 | Platanthera tipuloides Lindl. var. nipponica, Platanthera nipponica |
科名・属名 | ラン科 ツレサギソウ属 |
分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
花期 | 7月~8月 |
特徴 | 亜高山帯の針葉樹林内に生える多年草。 茎は高さ15~30cmで稜線があります。 葉は茎の下部に1個つき、長さ3~6cmの楕円形。鱗片葉は2~3個。 茎の上部に淡黄緑色の小さな花を10個前後まばらな穂状につけます。 距は長さ6~10㎜で前方に湾曲します。 |