アブラツツジ(油躑躅)はツツジ科・ドウダンツツジ属で本州の中部地方以北の山地に生える高さ1~3mの落葉低木、幹は滑らかで灰色です。和名は葉裏が滑らかで油を塗ったようであることによります。
同じ仲間のシロドウダン(白満天星)は本州の関東地方以西、四国、九州の山地の岩の多い林内や硫気荒原などに生える、高さ2~4mの落葉低木です。鐘形の花先は浅く5裂し、さらに細かく切れむのが特徴ですが、よく似ている広鐘形の花の色が赤いベニドウダンがあります。
カイナンサラサドウダン(海南更紗満天星)も同じ仲間で、本州の愛知、三重、和歌山県、四国の徳島県と限られたところに自生する、高さ1.5~5mになる落葉低木です。
枝先から長さ5~10㎝の総状花序を下げ、淡紅色の花を8~20個つけ、花序の軸や花柄には縮れた毛があります。
上のアブラツツジ(油躑躅)は、2005年5月31日に日光植物園で撮影したものです。
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アブラツツジ(油躑躅)の特徴
和名 | アブラツツジ(油躑躅) |
別名 | ホウキヤシオ、ヤマドウダン |
学名 | Enkianthus subsessilis |
科名・属名 | ツツジ科 ドウダンツツジ属 |
分布 | 本州(中部地方以北) |
花期 | 晩春~夏 |
特徴 | 山地に生える高さ1~3mの落葉低木。 幹は滑らかで灰色。 葉は互生し、長さ2~5cm、薄く表面の脈上には毛があるが裏面には光沢があります。 花は晩春~夏、下垂して咲きます。蒴果は下向き。 和名は葉裏が滑らかで油を塗ったようであることによります。 |
シロドウダン(白満天星)の特徴
シロドウダン(白満天星) 2005年5月31日 撮影 日光植物園
和名 | シロドウダン(白満天星) |
学名 | Enkianthus cernuus |
科名・属名 | ツツジ科 ドウダンツツジ属 |
分布 | 本州(関東地方以西)、四国、九州 |
花期 | 5~6月 |
特徴 | 山地の岩の多い林内や硫気荒原などに生える、高さ2~4mの落葉低木。 葉は互生、枝先に集まってつきます。葉身は長さ2~5㎝、幅1~2cmの倒披針形または倒卵形。ふちには細かい鋸歯があります。 花は葉の展開後に開花します。枝先から長さ1.5㎝の総状花序が垂れ下がり、白緑色の花を5~12個つけます。花は長さ6~8㎜の鐘形、先は浅く5裂し、さらに細かく切れ込みます。 蒴果は長さ6㎜の円柱形。8~10月に熟します。 |
カイナンサラサドウダン(海南更紗満天星)の特徴
カイナンサラサドウダン(海南更紗満天星) 2005年5月31日 撮影 日光植物園
和名 | カイナンサラサドウダン(海南更紗満天星) |
学名 | Enkianthus sikokianus |
科名・属名 | ツツジ科 ドウダンツツジ属 |
分布 | 本州(愛知、三重、和歌山県)、四国(徳島県) |
花期 | 5~6月 |
特徴 | 高さ1.5~5mになる落葉低木。 枝先から長さ5~10㎝の総状花序を下げ、淡紅色の花を8~20個つけます。花冠は長さ7~9㎜の広鐘形で先端は5裂します。花序の軸や花柄には縮れた毛があります。 果実は蒴果。長さ5~10㎜の楕円形。花序は垂れ下がるが果実は上向きにつきます。 |